第1部 講演(15:00~16:30)
「無形資産としての特許資産価値の評価」
エヌユー知財フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長 井上 淳一
1988年東京大学理学系大学院修士課程修了。野村アセットマネジメント等を経て、2008年より現職。
【要旨】
1990年代後半以降、ブランドは、「マーケティング領域から企業全体の重要な資産として「資産認識」され、企業経営の戦略的な無形資産と位置づけられるようになった」(刈屋「ブランド評価と価値創造」)と言われている。その一方で、ブランドと並ぶ(またはそれ以上の)重要な無形資産である「知的資産」は、いまだに多くの企業で「法務領域」、または「研究開発領域」にとどまっているのが実情である。このように、知的資産が「資産認識」されていない理由の一つは、ブランド価値のような評価モデルが実務のレベルで提唱されていないことにあると考えられる。
本発表では、このような視点からGriliches以来の標準的なモデルを使い、企業の知的資産価値の試算を紹介しつつ、そのインプリケーションを考察する。
第2部 講演(16:30~18:00)
「リスク、不確実性、そして金融危機」
独立行政法人経済産業研究所上席研究員 植村 修一
1956年福岡県生まれ。1979年東京大学法学部卒業後日本銀行入行。調査統計局経済調査課長、大分支店長、金融機構局審議役などを経て退職。民間企業勤務ののち、2012年現職。
主な著作:「リスク、不確実性、そして想定外」(日経プレミアシリーズ)、「リレーションシップバンキングと地域金融」(日本経済新聞出版社)
【要旨】
西ドイツ(当時)の社会学者ウルリッヒ・ベックが『リスク社会』の到来を唱え、世界的に話題になったのが1986年である。それから4半世紀が経ち、リスクや不確実性の高まりを指摘する声は内外で高まっている。 講演では、これら用語の概念整理に始まり、リスクの源、企業経営や政策運営におけるリスクなど、リスクに関連した一連の事象や項目について論じる。
講演者は、日本銀行において長らく金融リスク管理に関する業務に携わってきたことから、取り扱う分野としては金融問題を中心とするが、歴史上の事件を含め、金融以外の分野からも、幅広く題材を提供する。最終的なテーマは、「リスク管理はなぜ失敗するのか」「金融危機はなぜ繰り返されるのか」である。
構成:①リスクについて ②企業経営を巡るリスク ③政策や行政機関を巡るリスク ④金融危機と金融リスク管理 ⑤おわりに-大事なものを守る
キーワード:リスク、不確実性、ブラック・スワン、ヒューリスティクス、複雑系、モラル、インセンティブ、ガバナンス、金融危機
○日時:2012年11月16日(金)15:00~18:00 ○場所: 明治大学 アカデミーコモンビル9F 309A教室 http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html
○参加申込: (1) 参加者氏名 (2) ご所属 (3) 会員種別(個人/法人/非会員) を、学会メールアドレス(javcerm@meiji.ac.jp)までお送りください。【注】メール件名を「研究会申込」としてください。
○申込締切り: 11月12日(月) (資料準備のため、事前申込みにご協力ください)
○参加費: 法人会員(3枠) 無料 ※4名からは非会員枠になります。
個人会員¥2000- 非会員¥5000-(当日受付でお支払いください)